iTero(3D光学スキャナー)を使って患者さまのお口の中を撮影し、歯の形状や歯列の状態をデータとして取得します。
撮影時間は短く、シリコン製の印象材を使った従来の歯型どりとは異なり、時間もかかりません。
嘔吐反射の強い方もストレスなく歯型どりを行なうことができます。
iTeroで取得したデータおよびレントゲンや口腔内写真を、インビザラインの開発元である米国のアライン・テクノロジー社に送付します。
アライン・テクノロジー社では、それらの資料をもとに患者さまのお口の状態を再現した3Dモデル(治療のシミュレーション用の立体画像)が作製され、そのデータが担当の歯科医師に送信されます。
3Dモデルに歯科医師が何度か修正を加えて、最終的な3Dモデルが完成します。
アライン・テクノロジー社から送られてきた3Dモデルをもとに、歯科医師がコンピュータ上で歯の移動のシミュレーションを行ない、患者さまに最適な治療計画を立案します。
この治療計画の質によって治療の仕上がりが大きく変わってきます。患者さまに治療計画のシミュレーション画像をご覧いただきながら、治療計画の詳細と治療期間についてご説明します。また、治療後の仕上がりもシミュレーション画像にて患者さまにご確認いただきます。
治療計画と仕上がりに充分にご納得いただいたら、マウスピース型矯正装置(アライナー)を作製します。
アライン・テクノロジー社にて治療完了までに必要なアライナーが一度に作製され、医院宛に発送されます。
アライナーが届くまでの期間は、iTeroによる歯型どりを行なってから約1ヵ月~1ヵ月半ほどです。
アライナーの装着や取り外し方法をレクチャーし、ご自宅にかえってもできるように患者さまに練習をしていただきます。
また、アライナーのケアや取り扱い、治療中の注意事項もご説明します。
最初のアライナーを2週間装着していただいた後は、患者さまご自身で次の段階のアライナーにつけ替えていただきます。
1~3ヵ月に1度の頻度でご来院いただき、アライナーの適合性や歯並びの状態、お口の中の健康状態などをチェックします。
また、その際に次の段階のアライナーをお渡しします。
最後のアライナーを装着する前に噛み合わせを確認し、治療前にシミュレーションした仕上がり画像と実際の仕上がりを比較します。
歯並びも噛み合わせも良好な場合は、最後のアライナーを1~2ヵ月ほど装着して、治療が完了します。
もし微調整が必要な場合は、歯型を取って追加のアライナーを作製し、目指す歯並びの状態になるまで治療を継続します。
治療が完了した後でも、歯並びが安定するまでには時間がかかるため、そのまま放置すると歯はもとの位置に戻ろうとします。それを防ぐために保定装置(リテーナー)を装着していただきます。
保定装置はマウスピース型のものや、前歯の裏側にワイヤーを装着するものがありますが、患者さまの歯の状態に合わせて選択します。
保定装置を装着する期間は、基本的に歯の移動にかかった時間とほぼ同じです。