【矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用について】
【矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用について】
歯牙の切削 装置の設置やIPR(歯牙の隙間をつくる)時にエナメル質や補綴物を健康被害が出ないレベルで切削する必要があります。
歯牙移動の不正 装着時間の不足や装置を正しく使用できていなかった場合などに、予定外の方向に歯牙が移動してしまう可能性があります。場合によっては、歯槽骨外への歯根の逸出や歯の喪失を生じる可能性もあります。
痛み・咬み合わせ 歯を動かすために力を加えると、痛みや不快感を伴う場合があります。しかし、これは一時的なもの(通常2~3日、長くて1週間)ですので、心配はいりません。また、装置の装着やかみ合わせの状態の変化などにより、一時的にものが咬みにくくなる場合があります。
むし歯・歯周疾患 矯正治療中は装置のまわりが汚れやすく、ブラッシングが充分でないと虫歯や歯周病になるだけではなく、歯が変色したり装置のあとがついたりします。当院にてブラッシングの指導を致しますが、矯正治療によって得られる利点よりも、ブラッシングが不充分なことでおこる欠点のほうが大きい場合は、治療が開始できなかったりやむを得ず装置をはずしたりすることがあります。治療を再開する場合には、追加費用が発生することがあります。
顎関節症 顎の開閉時に音がしたり、口が開きにくくなったりしたことのある患者様に対しては、慎重に治療を進めていくことがあります。また症状のなかった患者様でも、矯正治療中に顎関節症が出ることもまれにあります。症状が重篤な場合、矯正治療を中断して顎関節症の治療を行うことがあります。
歯根吸収 歯を動かす際に歯根が短くなる場合があります。この歯根吸収の発生は予測困難であり、場合によっては治療を中断せざるを得ないことがあります。
歯肉退縮 矯正治療を始めると、歯茎が下がったり(歯肉退縮)、隣在する歯と歯茎の隙間が大きくなったりする(ブラックトライアングル)ことがあります。これは元々の歯並びや周囲の骨・歯茎の状態、また口腔衛生状態が関係して起こります。歯肉退縮が重篤な場合は、ダイレクトボンディング治療や歯茎の再生療法をお勧めすることもあります。
ブラックトライアングルは、歯のガタガタの大きい下の前歯で生じる頻度が高いです。
歯髄充血・歯髄壊死 ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。これは歯の移動量に関係なく起こり、予測ができません。
装置を外す際 装置を外す際に、健康被害の出ないレベルでのエナメル質の切削の可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。また、治療後のかみ合わせに合わせてかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療などをやり直す可能性があります。
誤飲・誤嚥 矯正装置や矯正用ゴムを誤飲する恐れがあります。